自己破産をした場合、今住んでいる賃貸マンション、賃貸アパート、借家などから追い出されてしまうのでしょうか?

賃貸契約書にうたわれているケースもある

賃貸契約書に「破産の申し立てを受けた時に、法定の手続きによらず本契約を解除できる」といった内容が記載されていることがあります。これは「自己破産したら出て行ってください」という意味です。

この文面通りに受け取るのであれば、「自己破産をした場合は賃貸の場合出て行かなくてはならない」ことになります。

しかし、あなたが自己破産をしたとして、家主はそのことをどうやって知るのでしょうか?

あなたが破産宣告を受けたことは、官報を見なければ分かりません。こまめに官報をチェックしている家主がいるとも思えません

現実は家賃さえちゃんと払っていれば問題ないことが多い

家主からすれば、あなたが自己破産をしようがどうしようが、家賃を毎月遅れずに払っていれば問題ありません。

家賃を滞納していない限り、賃貸契約を解除されることはないと言えます。

家賃を毎月遅れずに払っている人を追い出して、わざわざ家賃収入を手放す家主がいるとは思えません

もしあなたを追い出したら、次の入居者を募る必要があります。

いつ入所者が決まるか分かりませんし、あなたが長年住んでいたとしたら、次の入所者向けの家賃は今より家賃を下げなくてはいけません。

入所者がなかなか決まらなければ、家賃を大幅に下げるか、リフォームをする必要があります。「そんな費用のかかることはしたくない」というのが、家主の本音です。

家主からすれば、借主が自己破産をしたことを知っていたとしても、毎月遅れずに家賃を払ってくれる人であれば、何も問題ありません。

破産法が改正されている

それに、平成17年1月に破産法は改正されています。これにより民法621条が削除されました。

民法621条は下記の通りです。

  • 「賃借人カ破産ノ宣告ヲ受ケタルトキハ賃貸借ニ期間ノ定アルトキト雖モ賃貸人又ハ破産管財人ハ第六百十七条ノ規定ニ依リテ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ各当事者ハ相手方ニ対シ解約ニ因リテ生シタル損害ノ賠償ヲ請求スルコトヲ得ス」
  • 「賃借人が破産の宣告を受けたときは、賃貸借に期間の定めあるときといえども、賃貸人又は破産管財人は解約の申し入れをすることができる」

これにより、借主の自己破産を理由とする家主からの賃貸契約解除を認めないことになりました。

自己破産を理由に追い出すことは出来ないというわけです。

しかし、家賃を滞納していることを理由に追い出されることは考えられますので、家賃滞納には気をつけてください。

まとめ

家主は借主が自己破産をしたかどうかは分かりません。もし万が一、官報など偶然知ったとしても、自己破産を理由に追い出したりはしないはずです。

毎月家賃を遅れずに払っている場合は、自己破産をしたかどうかは、家主からすれば問題ありません。家賃さえ払ってもらえればいいわけですから。

「家賃を滞納している場合」や、「よほど生活態度が悪く近所の人からクレームがきているような人」でなければ問題ないでしょう。